クリエイティブコモンズ付与著作物が8億超 一方、著作権大航海時代、海賊退治はより強い海賊を雇う!?
マンガサロントリガーで、以下のイベントに参加してきました。
ここ数年、実務的かつ精力的な事業や提唱を行っている、クリエイティブコモンズ(以降CC)立役者の一人、ドミニク・チェンさんと、講談社国際ライツ部にいながら、モーニング編集部でも副編集長と言う北本かおりさんのお話です。
今回のお話は、トリガーのニコニコチャンネルでもアーカイブされますので、ここでは簡単に。
まず、ドミニクさんからCCの説明など。段階的に使用方法が指定される、CCの内容や同人マークについて改めて整理して教えていただき、ネット文脈の中で試行錯誤している点などが興味深かったです。改めて聞くと、CCは、紙の媒体中心のこれまでのルールを踏まえたうえで、ネットがある前提を加えた新しい枠組みあること。そして同人マークは、割と紙の同人誌に寄った所のルールなのだなと理解できました。
驚いたのは、2014年時点で、CCライセンスが付与された著作物は約8億8,200万件にのぼるということです。ちょっと想像がつかない凄い数ですね。
クリエイティブ・コモンズ、ライセンスの付与状況や活動状況のレポート“State of the Commons”を公開 | カレントアウェアネス・ポータル
この8億のうち実に3億点が、Flickerという写真をアップするサイトにあるそうです。
ここの中には、商用利用可能なフリー素材画像が大量にあるそうなんですが、これをトレースして漫画を描いたら、それはトレパクになるんでしょうか。お2人に質問すればよかった。
北本さんは『チーズスイートホーム』や『チェーザレ』を立ち上げられ、モーニングの副編集長でありながら、国際ライツ部事業部の副部長も兼ねているとのこと、しかし、両方とも激務だと思うのですが、パワフルです。
動画のこともありますし、詳しいことは書けませんが、著作物の世界は、割りと成熟した大航海時代のような状況という話が面白かったです。
曰く。海賊がはびこり、あまつさえ正規軍より海賊のほうが強力(海外では、正規品より海賊版のほうが、結果的に作品の認知を広げていることも珍しくない。)な時代は、多くの海賊を駆逐するために、最強の海賊を正規軍が雇い入れ、他を駆逐する任務を課すというケースも、あったとかなかったとか。
海賊版の話も、ネットを前提としたCCの話も、混沌とした状況下で、実務としてなんとかするという現場に近いところの工夫として、とても面白かったです。3億枚の資料写真が、無料で商業利用できるというのは、本当に凄いですよね。
実は私、このシリーズイベントの5回目くらいに登壇すると思う(笑)のですが、今日は、しっかりお金を払って見学させていただきました。ほんとにその価値のある面白いイベントでした。こういうイベント、増やしていきたいですね。
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