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人の選んだマンガの話は、なんだか盛り上がるの法則。「これも学習マンガだ!」100選

今年の春から選書委員をさせていただいていた、日本財団の「これも学習マンガだ!」という取組が、ここ数日話題になっていて嬉しいんです。

www.sankei.com

ネットでは、財団のお堅い選書かと思いきや、思い切った選書だというところが評価されているみたいで「○○が選ばれてる!日本財団やるじゃん!」的なツイートがとにかく嬉しいす。

 

 

中でも話題なのが、筋金入りのマンガ通(そりゃそうですけど)明大の藤本由香里先生の選んだ『風と木の歌』と、その美し過ぎる選書コメントです。

こ、この作品が図書館向けに推薦される選書に入るのか?!と、驚く声多数ですが、その藤本先生の推薦文の美しさが、全てを凌駕してしまったようです。

 沢山RTされてる、福井先生のツイートに、なんか意味も無く感動し、私も少し涙腺が緩んでしまいした。

つい先月、竹宮先生と京都国際マンガ・アニメフェアのレセプションでお会いしばかりでこの感動を直接伝えてみたくもあるのですが、多分福井先生みたいなイケメンとか、女性がお伝えしたほうが、ほのかで良いんだろうなと。

 

なんか盛り上がる理由

このプロジェクトがどういう趣旨かは、こちらにありますが、盛り上がった理由は2つかなぁと。

 

一つはタイトル、

「これも学習マンガだ!」の「も」という文字を選んで決めたところは、選書委員の中でも、この企画を起案して仕切った、マンガナイト山内さんがご苦労されて、ピシっと決めたところです。

これは、所謂学習マンガの定番『日本の歴史』や、あさりよしとお先生の超名著『まんがサイエンス』などを、敢えて入れずに(選書会議中の議論には、基準としてしょっちゅう話に出てきましたが。)真正面ではない学習マンガを選ぶというコンセプトが良かったのだと思います。

 

 ←無料サンプル版ですって^^

 

もう一つは、マンガ好きの習性?というか、今回私も発見した「人が選んだマンガをネタにするのは楽しい。」の法則ですね。

以下は、「これも学習マンガだ」をTwitter検索した結果なのですが、

News about これも学習マンガだ on Twitter

 

出るわ出るわ。「○○が入って無いとはけしからん。」「△△が入ってるから認める。」という意見のオンパレードw 話題になって、ホントに嬉しいです。

今回は、選書するメンバーに藤本先生、山田さん、里中先生と、猛者ぞろいだったために、「この選書は認める。」という意見が多くて、嬉しいのですが、どうやら「人の選書にどうこう言う」というのは、相当なエンタメのようです。

 

選書会議は、各委員が静かに燃えて「私の好きなマンガは譲れない。」と、言葉の鍔迫り合いを続ける、静かに緊張が溢れる、大変楽しいものでした。里中先生を筆頭に、皆さんマンガのプロですので、どの作品を推すときも一家言ある人ばかり。兎に角「このマンガはここに学びがあるから、選書されるべき。」という理由が面白ければ、大抵の作品は通ると言う、言わば「選出理由芸大会」の様相でした。その選書理由は、それぞれのマンガの選書コメントをご覧ください。各委員のマンガへのこだわりが爆発しております。

 

先日も、コンテンツプロデューサーの集まりで、選書されたマンガのタイトルが全部入ったチラシを回覧したところ、みんなわれを忘れ、私が止めるまで30分延々と「あれが入ってる入って無い」と盛り上がりました。多分、マンガ好きが集まって、好きなマンガを10個決めるという飲み会をやったら、それはもう盛り上がるんだろうなと思います。

新しい遊びを見つけたので、皆さんも楽しんでみてはいかがかと思いますが、ネットで発表するときは、何を言われるか判ったものでは無いので、用法用量は正しくお使い下さい。

 

ちなみに、今回のメンバーの中では、委員のマンガナイト首魁、山内さんも当然猛者で、マンガHONZコンビの佐渡島さんと私は、マンガを知ってる量としては、他の委員の皆さんからすれば子ども扱いレベルでした。その分、自分たちのこだわりをぶつけさせていただきました。

 

 一応、私がコメント書いて、選んでもらえたのは、以下です。

昭和元禄落語心中』『ゴルゴ13』『サンクチュアリ』『編集王』『ヴィンランドサガ』『センゴク』『墨攻』『アドルフに告ぐ』『アフター0

 

ありゃ~、改めて書いてみると、結構危険なところもありますねぇ~。僭越すぎて冷や汗が^^;