読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

漫画の真ん中

マンガ業界データや動向、新人漫画家支援のことなど。

結局、平成のトキワ荘はいくつあるの?

トキワ荘プロジェクト

福岡の小倉で「TOKIWA創(そう)」プロジェクトが始まったそうです。

www.47news.jp

北九州・小倉、博多などは、九州の中でも、マンガミュージアムが開設されたり、大きな同人即売会が行われるなど、コンテンツ関連の取組が盛んです。妖怪ウォッチレベルファイブの存在も大きいですね。

是非「いのちだいじに」しつつ「ガンガンいこうぜ」と成功を祈念します。

 


平成のトキワ荘はいくつある?

マンガ・アニメなどでクリエイター支援をする際に、「平成の(現代の)トキワ荘」という呼び名や別名が各所で使われています。

 

これ、ホントに良く聞かれるんです。なので一度ブログにまとめてみます。

ここでは、私の把握している開始年月の順で紹介させていただきます。

 

2006年8月開始
トキワ荘プロジェクト
Web: http://tokiwa-so.net/
運営主体: NPO法人NEWVERY(民間団体の単独運営) 
活動拠点: 東京全域(&京都市内)
事業内容: 漫画家支援
管理物件: 一軒家26棟(東京22、京都4)
事業概要:
ニートフリーター支援から始まり、運営9年目。
・安価なシェアハウスを提供する住居支援(漫画家コミュニティ作り)
・MANZEMI、デジタル作画、などのプロ向けガチ技術講習会
・出張編集部、漫画家向け確定申告講習会、背景資料撮影会などのイベント
・『マンガで食えない人の壁』シリーズなどの漫画家支援研究書籍発刊 など
*)詳細は以下別記


2011年4月開始
トキワ荘通り協働プロジェクト
Web: http://tokiwaso-street.jp/
運営主体: トキワ荘通り協働プロジェクト協議会(豊島区、地元商店街&町内会)
活動拠点: 東京都豊島区
事業内容: 地域振興、漫画家支援
管理物件: アパート(紫雲荘)内3部屋、トキワ荘通りお休み処(1店舗)
事業概要: 
元々トキワ荘のあった場所である豊島区南長崎トキワ荘跡地、及び赤塚不二夫先生が実際に仕事場にしていた現存する紫雲荘を起点に、地域振興、漫画家支援をされています。ちなみに、この地域は筆者の地元でもあり、中の人に知り合いも多いです。


2012年4月開始
◆京都版トキワ荘事業
Web: http://tokiwa-so.net/kyoto/
運営主体: 京都市(運営受託 NPO法人NEWVERY=トキワ荘プロジェクト)
      運営パートナー 株式会社めい
活動拠点: 京都府京都市
管理物件: 1軒家4棟
事業内容: 漫画家支援
事業概要:
京都市が「減少する京町家の活用を、クリエイター支援も絡めて出来ないか?」と起案し、これに対して東京で実績があったトキワ荘プロジェクトが企画を応札、採用されて現在に至ります。
京都市には、マンガ学部生800人という京都精華大学のほか、マンガを教える大学・専門学校が7校あり、1300人程の学生が学び、そのOBOGが住んでいます。
最古のものでは明治に作られた古い物件などを活かし、現在は4棟16部屋を管理しています。


2014年3月開始
◆アサガヤ新人アニメーター寮
Web: http://animator.main.jp/dormitory_2014.html
運営主体: NPO法人アニメーター支援機構
活動拠点: 東京都杉並区阿佐ヶ谷など
事業内容: アニメーター支援
管理物件: 1軒家1棟(1棟増床予定!)
事業概要:
開始は2014年ですが、その前年から運営資金をクラウドファンディングして見事集めたことにより、注目を集めました。
この中では唯一のアニメーター支援ですが、業界のインサイダーがアニメーターの動態をとても良く理解したうえで活動をしているとことから、支持を集めていると思います。


2014年4月開始
◆いばらきクリエイターズハウス
Web: http://www.i-contents.jp/house/index.html

運営主体: いばらきコンテンツ産業創造プロジェクト(茨城県
活動拠点: 茨城県つくば市
管理物件: 1軒家1棟
事業内容: クリエイター支援
事業概要:
つくば市にある茨城県の持つ物件を活用した、クリエイター向けコワーキングスペースです。


2015年3月開始
◆シェアハウス「古町ハウス」
Web: http://www.city.niigata.lg.jp/kanko/bunka/mangaanime_mati/manga-syeahausu.html
運営主体: 新潟市・日本アニメ・マンガ専門学校
活動拠点: 新潟県新潟市
事業内容: 漫画家支援
管理物件: 1軒家1棟
事業概要:
有名作家を多く輩出した新潟市が、日本アニメ・マンガ専門学校を中心とした「ガタケット」で盛り上がる中で開始した、漫画家支援プロジェクト。女子寮4名は現在満室とのこと。ガタケット日本アニメ・マンガ専門学校さんの動きは、地方のコンテンツイベント等の中では、とても良い動きだと思います。

 

2015年7月開始 -new!
◆「TOKIWA創(そう)」プロジェクト
Web: (不明:新聞記事はこちら。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/179868 )
運営主体: コワーキングスペースCOLT or プロダクションCOLT (記事より)
活動拠点: 福岡県北九州市小倉
事業内容: クリエーター支援
管理物件: ビルの1フロア
事業概要:
特に漫画家に限らないコワーキングスペース。記事によると、
「同区米町のビル4階(約120平方メートル)を借り、一部屋(40平方メートル)を漫画家などクリエーターのワークコーナーとし、18人分の机を並べた。使用料は月1万円で、既に漫画家やイラストレーターなど10人の入居が決まった。」

最近、クリエイティブ関係が元気な福岡で、クリエイターを集めて営業代行やプロデュースをするという取組は良いと思います。各地方に限らず東京でも増えていく形ではないかと。


活動開始年月日不明
◆日本マンガ・アニメトキワ荘フォーラム
Web: http://www.tokiwasou.jp/
運営主体: NPO日本マンガ・アニメトキワ荘フォーラム
活動拠点: 東京都豊島区
事業内容: 日本のマンガ・アニメ文化について研究・振興など
事業概要:
代表の方が、この活動を始められたのは、恐らくこの中でも最古の活動になると思います。
この名前をつけて活動を始められたのは、恐らく2013年が最初と思われますが、筆者も定かではありません。
主に、フォーラムなどのイベントをされたり、地域の観光マップを作るなどされています。


開始年月日不明、活動終了
デジタルトキワ荘
運営主体: クリエイター系人材紹介企業
活動拠点: ネット
事業内容: クリエイティブ系仕事のマッチング
事業概要:
漫画家に限らず、イラストレーターなどがクローズなSNSに自分のプロフィールを登録し、発注者との仕事をマッチングするというWebサービス。2013年秋ごろに、惜しまれながらサービスを終了した。

 

と、いうことで、
マンガ・アニメ業界で、部屋を貸すタイプの事業と言う事だと、7事業ということになりそうです。

*: 恐らく、私の把握していないものもあるやも知れません、ご指摘いただけましたら、謹んで訂正させていただきます。というか、把握してないものがある可能性の方が、高いかと思います。

 

それで、トキワ荘プロジェクトはどうなの?と

まず総括すると、名前に「トキワ荘」と入っているものと、記事などで紹介される際に「平成のトキワ荘」と銘打たれるものがあります。どこがトキワ荘という名前を使い、特に使ってないけども、よそ様から「トキワ荘」という名前を冠されたものは、ご覧いただければわかると思います。 

そして、良くお問合せをいただきますが、私達が、運営しているのは、「トキワ荘プロジェクト」と「京都版トキワ荘事業」のみです。お間違いなく。


トキワ荘プロジェクトについて「実績が出ていない。」「出ては消えている。」という指摘を、主にネットのエアリプなどでいただきます(笑)以下に詳細と見解をまとめます。


2015年7月現在、トキワ荘プロジェクトの実績をまとめると以下になります。

【漫画家向けシェアハウス関連】
・運営9年(2006年8月開始)
・管理物件 東京22棟、京都4棟 143部屋
 うち2棟は、『ライアーゲーム』の甲斐谷忍先生がメンター(師匠)をする「甲斐谷荘
 うち1棟は、『交通事故鑑定人 環倫一郎』『10年メシが食える漫画家入門』などの樹崎聖先生がメンターの『樹崎荘
・現入居者は130人程。これまで入居したトータルは約360名。
・メジャー誌等にデビューや単行本発刊した総数はちょうど50名。
・メディア展開で主たるもの、
 - 中川学『僕にはまだ 友だちがいない』がNHKでドラマ化

・受賞で主たるもの、
 - 西村ツチカ「第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞」
 - 園田ゆり「アフタヌーン四季大賞」など 

・2014年7月現在、媒体連載中のもの
 - 『怪談イズデッド』(goodアフタヌーン:飯島しんごう)
 - 『潔癖男子!青山くん』(ヤングジャンプ:坂本拓)
 - 『ホテルヘルヘイム』(ジャンプSQ西修
 - 『Now playing』(ガンガンONLINE:一二三)
 - 『くも漫。』(トーチWeb:中川学)
 - 『新さんファミリー』(京都新聞朝刊4コマ:曽山舞)など

・入居者実績としては、次の目標はアニメ化。現在連載中の作品に期待している。
・実績の公表については、入居者とやり取りを、本人の希望が無かった場合などは、トキワ荘PJ出身であることを秘匿する場合もある。(実績として表に名前を出していないものも多々あり。)

 

【マンガ家向け講習会、イベント】
・プロ漫画家向けのガチ講座「MANZEMIプロ講座」は、通算3年で500名以上に対して実施。
 http://www.man-pro.jp/
・出張編集部@京都、漫画家向け確定申告講習会、マンガ背景撮影会など実施、出張編集部には過去、主要な出版社の編集部や、主要なWebマンガ、アプリの編集部のほとんどが出展、今年は59編集部出展予定。

 マンガ出張編集部@京まふ2015開催情報

 

【京都版トキワ荘事業について】

京都市は、2006年に始まった「京都国際マンガミュージアム」の運営の次の手として、2012年より「京都国際マンガ・アニメフェア」と双子の事業として「京都版トキワ荘事業」を始めました。

・京都にマンガを教える大学専門学校が7校、学生が沢山いるので、次の事業展開の場所にしようと検討していたところ、京都市も同じ方向性の検討をされていたので、私達が企画、運営に名乗り出ました。

・シェアハウス提供について、実質的な運営は株式会社めいが行っています。

・イベント等は、漫画家成分が濃い「出張編集部」や「漫画家ガチイベント」などは、トキワ荘PJが、地域色が強いものは株式会社めいがやっています。

トキワ荘プロジェクト | NEWS | 8/1 電子コミック時代の漫画家生存戦略 鈴木みそ@京都国際マンガミュージアム

・京都で漫画家を目指したいという各自の事情は様々ですが、京都新聞の朝刊4コマの連載を請け負ったり、地域色を出した超本気の活動です。

 

【その他】

漫画家支援研究書籍は『マンガで食えない人の壁』他4冊。

・特にどこかの資本に入っているという事はありませんが、関係した出版社さまやプロ漫画家さまなどは、こちら。
・代表菊池は、マンガHONZのレビュワー
・同じく、全国の専門学校、大学などで、「漫画家のなり方」や「マンガ産業論」(業界研究)の講座や講演、イベントなどを行っています。

 

およそ、こんなところです。


「平成のトキワ荘と言われた活動が、出ては消え出ては消えして、成功したところを見たことがない。」と言われることがままあります。

ここ10年ほどの間で、ネットやTVなど各メディアで「平成のトキワ荘」が紹介されました。メディアに出ているものは絶えずウォッチしていますが、恐らく、その半分位は私たちでもう半分位は、他の活動だと思います。

 

このトキワ荘プロジェクトの活動が「成功したかどうか?」は、上記の実績や今後の私たちの活動を見ていただき、判断いただきたいと思います。

ちなみに、私個人は、この活動そのものを「成功した」とは、まだ全く思う余裕がありません。「負けないように闘ってきたし、今後も負けるつもりはない。」とは思っていますが、同時に、この活動に最も不満を持っているのは自分自身だとも思っています。

「一人でも多くの漫画家が食べていけるようになるために」まだまだやります。

 私からは以上です。

 

*追記:

各所の事業者の皆様、勝手に記事にしてしまい恐縮です。把握していた内容に間違いなどあった場合は、ご指摘ください。