マンガ(コンテンツ)の資源化と再活用は、次のネット時代のトレンドに。
コンテンツの資源化、再利用化
佐藤秀峰さんのマンガ『Stand by me 描クえもん』が、トーチWebさんで連載開始と発表されました。
このマンガも楽しみですが、掲載開始に伴い佐藤秀峰さんご自身が、facebookページに大変興味深いことを沢山書かれています。
私が注目したのは、この部分です。
雑誌を作る者の立場では、1つの作品を独占掲載する時代
は終わりました。
これから求められることは、1つの作品をどこでも読めるようにすることです。
それが読者の利便性につながるのであれば、デメリットがあってもやるべきことだと思っています。
作家と読者の利益になることを信念を持って行なうことが必要です。
この辺り、MangaOnWebの開始以来、さまざまなことをされてきた佐藤秀峰さんらしい分析と打ち手が興味深いです。最後に現状をフェーズ3と説明されていますので、更に先の打ち手を考えられているのでしょう。
ネットでは深夜アニメ並みの知名度「東北ずん子」の秘密
ちょうど、第2回MDCセミナーでは、登壇者の小田さんから「東北ずん子」の資源化、再利用の仕組みについて、詳しくお話をしていただきました。
MDC:マンガディベロッパーズカンファレンスセミナーレポート
ずん子は、まだアニメ化もなっていないネット上のキャラクターですが、ニコニコ動画でTV放送されたアニメと同じくらい出てきていたり、Twitterスタンプとして、多くのネットユーザーに親しまれています。
コルク佐渡島さんの仕掛け
コルク社の仕掛けとしても、例えば木下晋也さんの『マコとマコト』という作品が展開されている先は、多数あります。
『マコとマコト』主な展開先
NTTドコモ/Dメニュー、Cakes、GANMA!(ガンマ)、マンガHONZ、作者個人Web、他
コルク社代表の佐渡島さんも、『汎庸な作家のサバイバル戦略』の中で、『マコとマコト』について、ドコモ社との間の「優先的掲載権」について語っています。
今『マコとマコト』という作品を、ビボーテ(http://www.bibeaute.com/)というドコモのサイトに連載しています。ドコモからは普通の出版社と同じように原稿料が出るのですが、じつは初回の優先的掲載権をドコモに渡すことに対する対価として支払ってもらっているんです。その後は、僕らが自由につかえるので、いろいろなところに載せています。
[引用:『汎庸な作家のサバイバル戦略-結局どうすりゃ売れるのさ』 VOYAGER]
ネットにおいて、一つのマンガ(コンテンツ)を、どのような形で、何度利用することが良いのか。これまでの独占する形と何が変わるのか?独占・再利用という両面にどんなメリットがあるのか。このあたりは、非常に興味深いところです。
次回MDCセミナー、鈴木みそさん
デジタルコミック時代の漫画家生存戦略2 策略家鈴木みその次の一手。
では、電子コミックの雄、鈴木みそさんにその辺りを語っていただきつつ、来場する、トキワ荘PJの2人のWeb漫画家、カメントツ(先日TVタックルに出演)と、中川学(トーチWebで今年連載)がディスカッションし、面白い場が生まれるようにしていきます。セミナーお申込みは、こちら。
登壇者、内容、来場者についてなど、セミナーについて、詳しくはこちら。